東北地方での酒米山田錦の栽培に成功

兵庫県で生まれ、全国の約9割が同県で生産される山田錦は酒米の代表です。
山田錦で造られたお酒は香味が良く、鑑評会に出品する日本酒などに使用されることが多い高級品種です。
ところが、最近は和食ブームに伴って高級日本酒の出荷が伸びている中、原料米である山田錦が足りない状況になっています。

今回、蕪栗米生産組合が酒米山田錦の栽培を始めたことは、このような世の中の状況に大きくかかわります。

「山田錦」の特徴は(1)大粒であること(2)心白が鮮明に中央にあること (3)タンパク質含量が少ないことなどが挙げられ、一般のお米作りとは勝手が異なっています。

本来、山田錦は気候や土地、日照条件などから東北での生産は適さないとされてきました。
そのため、実らない可能性の方が高かく、特に出穂するまでは大変苦労しましたが、今までの土壌づくりや経験などから見事栽培に成功しました。

山田錦は晩生であるため「つや姫」よりかなり遅い稲刈りとなり、さらに主食用のお米が栽培される地域ですから、見たことが無い背丈が高い品種が植えられていることで、周囲では大変話題になりました。

蕪栗米生産組合では今後も、「山田錦」の栽培に取り組んでまいります。


組合長 プロフィール

個人経営から平成17年に法人化。有機JAS米を約40ha生産。
さらに、自ら組合長を務める蕪栗米生産組合が生産する特別栽培米を全量一括して買い取り、販売する。
総出荷量は年間2万俵におよぶ。

以前から山田錦栽培に多くの方からの要望をもらい、2014年に栽培を開始し、気候的要因、地質的要因などに苦労しながらも1年で栽培に成功しました。
今後は、「山田錦」の生産量増加と安定した栽培・収穫を実現していきます。