「生きもの」の力で米作り。古くて新しい農法とは?
2015.02.12
冬の田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」は、田んぼに暮らす生もの、イトミミズや水鳥などの力を借りて、化学肥料や農薬に頼らない、今から三百年前の江戸時代からある農法です。
「生きもの」が田んぼで生活してくれているだけで、米づくりには次のような効果があります。
冬、田んぼに水を張ることにより、水の中に菌類やイトミミズが発生します。それを餌にする雁や白鳥などの水鳥がやってきます。
稲の切り株やワラが微生物によって分解され肥料となり、水鳥の糞に含まれるリン酸や窒素は土の養分となります。
つまり肥料を与えることと同じ施肥効果をもたらします。
そのイトミミズは有機物を食べて分解し、微生物が活性化した糞を出します。
これが「トロトロ層」と言われるきめ細かな土層になり、雑草の種を埋め込み繁殖を防ぎます。
さらに害虫駆除の効果があります。
春、「ふゆみずたんぼ」には蛙が産卵し、害虫が発生する頃に、蛙やクモが農薬を使わなくても害虫を食べてくれます。
このように、慣行農法では、農薬や化学肥料などで対処することを冬に田んぼに水を張ることで、生命の循環を上手く使い、肥沃な土を作り、雑草を抑え、害虫を駆除することができるのです。
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